前回「Packer + Ansible on Windows 10でKubernetes 1.10のクラスタ on VirtualBoxを全自動構築」で、やったことをESXiでやっただけ。

書いたコードはGitHubに置いてある。

前回との違い

VirtualBoxとESXiとで変えないといけない部分は、主にPackerのbuilderの定義。 前回はvirtualbox-isoだったけど、今回はvmware-isoを使う。 それに伴ってパラメータが結構違ってくる。

いっこトリッキーだったのが、cdrom_adapter_typeideを明示的に指定しておかないと、CDロムドライブがSCSIになって、OSのインストールメディアのマウントか読み取り辺りでエラーになってしまったところ。 環境によっては指定しないでいいかも。

また、"vnc_disable_password": "true"をbuilderに指定しておかないと、Packerが「Error handshaking with VNC: no suitable auth schemes found. server supported: []byte{0x1}」というエラーを出す

あとは、Nested Virtualizationでやった(下記)ので、すごく遅くて、色々タイムアウトを伸ばしたりしてやる必要があった。

ESXi環境

ESXi(というかVMware vSphere Hypervisor)は、現時点での最新の6.7を使用。 自前のWindows 10 HomeのノートPC上で動くVMware Player 12で作ったVMにESXiをインストールして環境を作った。

(因みにVirtualBoxにもインストールしてみたESXi上ではVM作成できなかった。VirtualBoxは今の時点でNested Virtualization未サポートで、サポートする予定もない模様。)

Packerから操作するには、以下の設定をする必要がある。

  • 静的IPアドレスを設定。Packerからの接続先に指定するので。
  • SSH有効化。PackerがSSHで接続するので。
    • 因みにSSHクライアントでESXiにつなぐときは、チャレンジ/レスポンス認証になる。
  • GuestIPHack の有効化
    • ESXiにSSHでログインして「esxcli system settings advanced set -o /Net/GuestIPHack -i 1
  • ファイアウォール設定でVNCポート(TCP5900番台)を開ける。 これをしないとPackerが「Starting HTTP server on port xxxx」でハングする。 けどこれが一筋縄ではいかない。この記事にあるように、/etc/vmware/firewall/service.xmlに設定を追加して「esxcli network firewall refresh」してもいいんだけど、再起動するともとに戻ってしまう。

    ので、この記事などを参考に、

    1. VNCポートの設定ファイルをデータストアに作成。

      /vmfs/volumes/datastore1/svc/packer.xml:

      <ConfigRoot>
        <service id="1000">
          <id>packer-vnc</id>
          <rule id="0000">
            <direction>inbound</direction>
            <protocol>tcp</protocol>
            <porttype>dst</porttype>
            <port>
              <begin>5900</begin>
              <end>6000</end>
            </port>
          </rule>
          <enabled>true</enabled>
          <required>true</required>
        </service>
      </ConfigRoot>
    2. 設定ファイルをESXi起動時に読み込むスクリプトを記述。

      /etc/rc.local.d/local.shに以下を追記:

      cp /vmfs/volumes/datastore1/svc/packer.xml /etc/vmware/firewall/
      esxcli network firewall refresh

Packer実行

設定ファイルが出来てESXi環境が用意できれば、Packer実行は前回と一緒。

ただ結局、環境が激遅なせいでところどころでタイムアウトしたり、OSインストール中にランダムにパニックになったり、PackerのBoot Commandの入力がランダムに失敗したりして、最後までビルド成功させる前に心折れた。 まあAnsibleのプロビジョニングの途中までは動いたので、だいたいよしとする。